●サカサクラゲ
エフィラ
プラヌロイド

ボルボックス Volvox sp.

白状しますが、ボルボックス初心者です。 過去にも4回ぐらい挑戦したんだけど、自己流ではすぐに絶えてしまいました。今回はまじめに、先人の教えにしたがって培養中です。



ボルボックスはじめました

ボルボックスです。正確な発音だとヴォルヴォックス、でしょうか。和名はオオヒゲマワリ。
ご存知の方には説明は不要ですね。植物プランクトンの中ではちょっとしたスター。単細胞の植物プランクトンが群体を形成して球形になってる、アレです。
個虫(でいいのかな、単細胞部分ですが)は2本の鞭毛(べんもう)と眼点を持っていて、となりの細胞とは糸のような、寒天のような構造でゆるくつながっています。
光に向かって泳ぐところなどほとんど動物ですが、葉緑体があって完全に光合成だけで生きていける「植物」なのです。
実物はすごく、小さくて、肉眼で見ると緑色の句読点かピリオド(「。」とか「.」)ぐらいの大きさ。
でも確かに丸いのがわかる。部屋を真っ暗にして、容器によこから光を当ててみると・・・まるで宇宙に浮かぶ天体のようです。
インターネットで検索すればきれいな写真や映像は見られます。でも現物を手にしたときの感動にまさるものではありませんよ。

顕微鏡で見る小宇宙

ルーペや虫眼鏡でみると緑色の球体の中に、もう一回り小さい球体がいくつか「入れ子」になってはいっているのが見えてきます。
顕微鏡があればはっきり、中の球体もそれぞれ回転しているのが見えます。10〜50倍ぐらいの低倍率で充分楽しめます。双眼立体顕微鏡があればなお幸せ。
スライドグラスに水滴といっしょにボルボックスを落として、カバーグラスをかけずに観察するのがおすすめです。

ボルボックスの増殖方法は、ちょっと切ない

球体の内側の球体が「娘群体」で、これが新しいボルボックスになるわけなんですが、細胞数が親と同じ512〜1024個とか(そう、2の累乗数なんです。分裂してふえるので)になると、外側の親群体が破れて外の世界に出て行くのです。敗れた親群体はしばらくは動いていますが復活することはなく死滅してしまいます。
・・・なんだか切ないですが、これが彼ら、もしくは彼女らの増殖法なんです。むりに擬人化して考えたり人生訓を読み取ったりするのはやめておきましょうね。
娘群体は独立したときにはすでに内部に自身の娘(孫?)群体を持っていて、 そうそう、ちなみに環境が悪くなると、オス・メスがでてきて有性生殖がおこるそうです。

飼育法?栽培法?

培養法、というのが正しいのかな?
いろいろな方法が知られています。従来の伝統的な方法は、三角フラスコに赤玉土と少量の石灰石を入れて煮沸して滅菌し、冷ましたもので培養する、という「二層培養」でした。しかしこれかなり、面倒クサイ。
最近の流行で、一番単純で確実なのは、ペットボトルのミネラルウォーターをそのまま使う方法です。
煮沸したりの滅菌処理がいらないのが魅力です。
いっぱんに軟水なら使えますが、お勧めなのは500ccのボトルで、「ボルヴィック」が最適といわれています。
ボルボックスにはぼるびっく、って語呂が似ている偶然も重なって、これが定番のようになっているようです。
これを室内で窓際などの自然光か、蛍光灯などの光源ちかくに置いて明るくしておけば増えつづけます。
とにかく、ボルボックスが届いたらボルヴィックを買ってきて、ボルボックスを数個体だけ入れたらとりあえず安心。
おっと、ひとつだけ気をつけることがありました。

混入生物を振り切れ!

ボルボックスを長く上手に飼う秘訣は、他の藻類や雑菌(コンタミ)が混じらないようにすること。
ミネラルウォーターは封を開けるまでほぼ無菌状態ですが、長く蓋を開けておかないようにします。
最初にボルボックスを入れるときが、一番のポイントです。
まず少量のミネラルウォーターを清潔なシャーレなど浅い容器にとります。
そこへ、きれいに洗ってできれば煮沸消毒したピペットでほんの少しのボルボックスを移し、小分けした水で洗浄します。
できるだけ古い水が入らないようにするのがポイント。野生のボルボックスを採集したときなどは、さらにこの操作を何度か繰り返します。

石灰石を1つぶ、液体肥料を1滴

ボルボックスはミネラルウォーター中の微量元素でしばらくやっていけますが、長期間維持したり増やしたりするにはそれなりの「ごはん」も必要。
水質を安定させるための石灰石、これは園芸用に寒水石として売られている大理石が入手しやすいかと思います。一回にひと粒しか使わないので、少量で大丈夫。
それから液体肥料。「ハイポネックス原液」などが適当です。
ゆっくり増殖させたり維持するだけなら、液体肥料は省略してもよいようです。
石灰石は投入する前に煮沸するか、ピンセット等でつまんでガスコンロの炎にとおして滅菌すれば完璧。

月に一度の植え継ぎの儀式

なにせ週に1度、5倍ぐらいのペースで増殖するので1個体からスタートしても、数百個体になるのはあっという間。
環境がよければ1ccあたり数百固体になることがあるそうですが、普通はそこまでいく前に過密状態になり、水中の養分も使い尽くしてしまいます。
元気がなくなったボルボックスは緑色が薄く、粒も小さくなってきます。本格的に飢餓状態に陥れば有性生殖に入り休眠してしまいます。
そうなる前に新しいボトルに、「植え継ぎ」をしてあげてください。新しい培養液をつくって、ボルボックスを一個体(一群体)だけ、新しい容器に移します。
このときもボルボックスを「洗う」儀式を忘れないように。藻類の胞子なんかは空中を漂っているので、いつでも混入する危険があるのです。
月に一回、はあくまでも目安です。もしかしたら50日ぐらい持つかもしれないし、増えすぎたり混入生物がいたりして危なそうだったら、早めに植え継ぎします。

水温と光(朝日のあたる窓際に)

最後に光と水温について。 水温は摂氏25度前後が最適ですが、15〜30度ぐらいならなんとかやっていけるようです。
光は前述のように直射日光にちかいカーテン越しぐらいの明るさがよいのですが、夏場は水温が上がりすぎてしまう危険があります。
そこで蛍光灯やLED灯など熱のでない明かりでを容器のすぐ横に置くなどして日光のかわりにします。
最後に当然ながら、直射日光を透明な容器の水にあてると集光によって火災の原因になることがありえます。
充分ご注意いただくようにお願いいたします。

人はなぜ、ボルボックスを飼うのか

以上が飼育方法のすべて、です。
植え継ぎながら飼うのが面倒くさい、と思うか、ペットボトルの恩恵(そう、ここ十年ちょっとのハナシだ!)のおかげでこんなに飼いやすくなった、と思うかは、あなた次第です。
でも何のために飼うのか。
当店のお客様からも、ボルボックス飼ってますよ!というお話を良く聞きます。一年に一度、生徒に見せる「舞台」のためにずっと維持し続けてきている高校の先生が多いのですが、他にも、ただ生き物好きなだけで(つまり、私と同じだ!)飼い続けているお客様もいらっしゃるのです。
夏休みの自由研究の材料としても最適だと思いますが、でも純粋に見るだけのための、つまり花や、観葉植物のように楽しむことも提案してみたいですね。
このハナシはいつかまた。

ボルボックス売ります

少々見切り発車気味ではあるのですが販売開始、です。
個人向けなので個体数少な目で設定しています。もし絶やしちゃっても、送料のみで何度でも生体を再送しますので、気楽に挑戦してください
学校向けのエデュケーションパックは30個体以上、としましたが、在庫と相談して多めにお送りします。
V-001 ボルボックス5〜10個体 生体のみ \1,000(送料別) お休み中
V-031 ボルボックス5〜10個体+飼育キット \2,000(送料別) お休み中
V-031の飼育キットの内容は、
・ボルボックス(5個体以上)
・大理石の粒(1年分以上)
・液体肥料(1年分以上)
・ピペット
・ルーペ
・シャーレ
ミネラルウォーターのボトルは入っていません!

ご注文はこちら注文のページ をよくお読みの上、メールにてお願いします。
●文中の「ボルヴィック」はミネラルウォーターのブランドで、キリンMCダノンウォーターズ株式会社の登録商標です。
ややこしいですが、「ボルボックス」と似ているのは、偶然です。


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